Freedom Computerの動作原理


 Freedom Computerに限らずエンジン制御用のECUは、吸入空気量とエンジン回転数からマップを読み、その値に各種の補正を掛けて、1回毎のインジェクターの動作時間を算出しインジェクターを駆動します。
 さて、ではエンジン回転数と吸入空気量をどうやって知っているのでしょうか。
 エンジン回転数はクランク角センサからの信号の間隔を計ることで簡単に計算できます。
 吸入空気量に関しては現在下記の3種類の方法が実用化されており、それぞれ長所、短所があります。
  1. マスフロー方式:エアフローメーターで直接吸入空気量を計ります。
  2. スピード・デンシティー方式:吸気管やサージタンク内の圧力を測定し、その値から吸入吸気量を推定します。
  3. スロットル・スピード方式:スロットル開度から吸入空気量を推定します。
方式 他の呼び方 長所 短所
マスフロー L−ジェトロ 吸入空気量の測定が正確。 エアフローメーターは吸気抵抗になる。 
吸気系の取り回しに制限が出る。
スピード・デンシティー D−ジェトロ、EFI−D 吸気抵抗にならず小型軽量のバキューム(プレッシャー)センサで済む。 吸入空気量を推定するためやや不正確。 
エンジンコンディションの影響を受けやすい。
スロットル・スピード スロポジ制御 吸気抵抗にならないスロットルポジションセンサで済む。 吸入空気量の推定が不正確。 
エンジンコンディションを受けやすい。 
アイドルアップ等の補正が難しい。 
スロットルポジションセンサは機械的動作部分がある為、信頼性に欠ける。
 Freedom Computerの標準方式はスピード・デンシティー方式ですが、スロットル開度補正マップによる補正を加えることで、多連スロットルでもスロットル・スピード方式以上の制御精度を得ることができます。また、単純なスロットル・スピード方式を使うこともできます。

 基本の噴射時間が決まった後は、吸気温補正等の各種補正を行い有効噴射時間を求めます。さらに、インジェクターの動作遅れを補正するための無効噴射時間を加えて最終的な噴射時間を求めます。
 補正の代表的な物は下表のようになっています。
 
補正名 補正理由
吸気温補正 空気の密度が温度で変化するため、同じ体積を吸入しても重量(=分子量)が異なるため。
水温補正 水温が低いとマニーホールド付近の温度が低く、ガソリンの気化が不完全になり、実際に燃焼するガソリン量が減るため。
始動後増量補正 始動直後はバルブや燃焼室の温度が低く、ガソリンの気化が不完全になり,実際に燃焼するガソリン量が減るため。
加減速補正 加速や減速でスロットル開度が変化し、マニーホールド内の圧力が変化すると、ガソリンの気化速度が変わり、一時的にガソリンの過不足が生じるため。
アイドル安定化補正 アイドリング時にサージタンクの圧力変化に遅れがでるため、それを補正してアイドリングを安定させる。
空燃比フィードバック補正 O2センサからの出力により、理論空燃比からのずれを検出し補正する。
出力増量補正 スロットル開度が大きいときは、トルクが最も大きくなる出力空燃比にします。
 点火時期に関しても噴射時間と同じようにマップから算出しますが、アイドリング時にはマップによらず固定値を用いアイドリングを安定させます。
 また、最近のECUではアイドル回転数制御(ISC)、A/Cコンプレッサー制御、オルタネータ制御、バルブタイミング制御などを同時に行なうため、非常に複雑になっています。

 さらに、詳しい動作原理等をお知りになりたい方は、「電子制御エンジンの基礎・応用」CQ出版社Freedom Computerマニュアルをお読みください。
 



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